ひまわり畑子ども食堂
掲載日:2019年10月21日
- 場所
- 枚方市香里ケ丘12-6-28
- 開催日
- 毎月第1・第3金曜日 17時半~19時半
- 参加料
- 中学生以下:無料 / 大人:300円
代表:中谷 章代さん
・えほんのお部屋 ひまわり畑 施設長
・保育士
・NPO法人「絵本で子育て」センター絵本講師
香里ヶ丘の住宅街の中に可愛い木の看板が掲げられている一軒家。中に入ると、別世界に連れて来られたような可愛らしい温かい雰囲気に包まれる。日中は、親子でほっこりできる„ほっとルーム„などさまざまな形態で子育て支援を行う。20名ほどいるスタッフは曜日ごとに担当に分かれ、子ども食堂は4名がメニュー作りから調理まで行う。この日は夏休み明けだからだろうか、60名近くの親子がやってきて大忙しだった。
順番を待つ子たちは2階の和室で遊んだり宿題をしたりしながら過ごす。絵本のほかに木のおもちゃや手作りのフェルトおもちゃなどもあり、集まって楽しんでいた。
絵本に囲まれた1階の食事スペースでは、1回に15人ほどでまとまって食べる。友だちと来る小学生や、幼児を連れたお母さんの姿も多い。普段家では子どもと二人だけの夕食でもここへ来ればワイワイ食べて、母どうしのコミュニケーションもとることができる。地域の親子の居場所としてしっかり根付いていることがうかがえるようでした。
頑張っているお母さんが ほっとできる場所に
「えほんのお部屋ひまわり畑」は、乳幼児の預かり保育をしたり、お部屋を解放して絵本の読み聞かせをしたりしているNPO法人。「保育ボランティアの会 ひまわりママ」が運営し、地域の親子の居場所となっています。温かく優しい気持ちで、地域の親子に寄り添いながら、お母さんも子どもも、ほっとひと休みできるような居場所づくりを目指しているそうです。代表の中谷章代さんにお話をうかがいました。
「今から18年前、銀行員だった私は子育てに専念しようと退職し、専業主婦になりました。ですが半年ほど経った頃、加入していた他生協が福祉のワーカーズコレクティブ(労働共同組合)を立ち上げたことをきっかけに訪問介護の資格を取り、そこの事務局をすることに。専業主婦は早々に終わりましたね(笑)そうして福祉や子育て応援の分野に携わる中で、枚方の保育所で30年園長をされていた金澤さんと出会い、絵本の大事さとその魅力に触れました。そして、絵本とおもちゃ・人との関わりの中で保育をしようと、1年間絵本講師の勉強をして「えほんのお部屋 ひまわり畑」ができたのです。1階は絵本のお部屋、2階はおもちゃのお部屋になっていて、平日(月~木)は子どもたちが自由に遊べるようにお部屋を開放しています(一時保育にも対応)。
子ども食堂は、「みんなの里子ども食堂」さんを先駆けに、2016年10月から枚方市の「子どもの居場所づくり推進事業」として始め、最初は月1回イベント的に開いていました。ちょうどその頃、パルコープさんでも子ども食堂フードバンクを実験的に立ち上げられた時期で、食材の提供についてご連絡いただきました。コープの皆さんって基本的に食べ物を大事にしている人が多いですから、安心してお願いすることができました。市役所からお米やパンなどをいただいたりもしていましたが、今ではコープさんから以外は買い足してまかなっています。子ども食堂をはじめるにあたり、まずはこの家の設備を一部改修し、保健所への登録申請など法を守るために必要なことを準備しました。衛生管理の為であり何かあった時にスタッフを守る為でもあります。市から助成も受けているのだから、そこをクリアにしておかないと示しがつかないですしね。始めた当初は、放課後の時間帯もお部屋を開放するようにしたばかりで、小学生の顔見知りはあまりいませんでした。そのため小学校にチラシを置いてもらったりもしましたが、一番は口コミで少しずつ広がってきたかなと感じています。
私は、毎日精一杯頑張っているお母さんがほっとできる場所になればという想いでこれまでやってきました。ここに来るお母さんには、『こういう地域との関わり方もあるんだな』って知ってもらいたいです。ここに来られる人はいいですがまだまだこういった場所は少ないです。なので、ここが誰でもこんな風に事業としてできるんだというモデルになって、大きい拠点に小さい広場がいくつもあるように、どんなお母さんでも行ける場所が増えていけばいいなと思います。ただしボランティアだけでできることには限界があります。ここをNPO法人にしたのもそうです。継続していくためには、熱意とやりがいだけでなく、行政と民間と共同で事業を行っていくことではないでしょうか。
自然を感じる機会が少なくなっている今こそ 絵本の大事さを
また、ここに来られない親子たちにも絵本に触れる機会をつくりたいという想いから、出張で定期的に絵本の会を開いています。枚方市駅の商業施設をはじめ、図書館やカフェ・小児科などに出向いて絵本の読み聞かせやふれあい遊びをします。子どもの頃に自分の母親に読んでもらった思い出があるから、実はお母さんの方が絵本がすごく好きだったりします。昔のように自然を感じる機会が少なくなっている今こそ、絵本の大事さを感じます。色んな経験を親子ともに絵本の世界を通して補うことができる。そんな魅力が絵本にはあると思っています。絵本の移動販売車「ひまわり畑号」もあるので、イベントなどあればぜひ呼んでください来てください♪」