東田辺子どもなかよし食堂

掲載日:2021年10月25日

場所
大阪市東住吉区駒川4-10-5 東田辺会館
開催日
毎月第2水曜日 16:00~19:00
参加料
無料  ※物品配布の期間は行き帰りの保険代として100円
  • 東田辺子どもなかよし食堂

吉田さんと松下さん

わがまちの*子ども食堂訪問記 わがまちの*子ども食堂訪問記

 パルコープエリアにある「子ども食堂」を訪問し、活動の様子や運営されている方の思いなどをご紹介します。
 今回は、東住吉区にある「東田辺子どもなかよし食堂」さんです。

お米3キロとパン・レトルト食品・お菓子などをお渡し

 駒川中野の駅からほど近い、東田辺会館がここの拠点だ。小学校にまっすぐ通じる道路が見渡せ、商店街のアーケードも見え、子どもや地域の人が行き交うのが一目で分かる。この日は新型コロナウイルス感染のために小学校が休校していたが、「事前に予約ももらっているので」ということで食品お渡しは実施。定刻の16時を過ぎてすぐ、子ども連れのお母さんなどが次々とやって来る。「今日は食品の提供がたくさんあって重たいけど持てるかな?」とボランティアさんが声をかけながら様子をうかがう。小さい子どもたちは、受付のテーブルに並ぶ手のひらサイズのおもちゃに夢中。連合町会長さんが毎回寄付してくれると言う。

 東田辺で長年根付いてきた地域福祉は、学校や警察署・消防署、商店街など地域一体になって育んできた。子どもから高齢者までわいわい食事をしながら交流できる子ども食堂もそのひとつ。再開が待ち望まれている。

お米3キロとパン・レトルト食品・お菓子などをお渡し
顔なじみの親子と松下さん

休まずに続けることを大事に

 現場を担っている地域福祉サポーターの松下さんにお話を伺いました。「ここは、地域づくりの一環として連合町会長が中心となり、2017年にスタート。当初から子どもに限らず色んな世代の方が利用されてきました。別の校区からでもどなたでも歓迎です。コロナ禍の前は、だいたい200人弱のご利用で4~5回転くらいしながらみんなでわいわい食事をしていました。お米は7升も炊いていたんですよ!ボランティアさん14~15名でキッチンいっぱいフル稼働でした。食べ終わったら、隣の部屋で子どもたちは遊んだり、ママさんどうしでおしゃべりしたりしてくつろいでいました。大変でしたが今となっては懐かしい光景です。

 「なかよし食堂」という名前は、東田辺小学校で昔から行ってきた「なかよし会」という世代間交流の授業名にちなんでつけました。小学3年生が地域の高齢者と、昔の遊びやくらし、交通のことなどの話を通して交流する場で、平成12年度からずっと私も携わってきました。その「なかよし会」つながりで食堂に来てくれる子がいたり、時を経て親になり子どもを連れて来てくれたりも。そういったこともあり、ここは小学校と密な関係で、校長先生もよく顔を出してくださいます(今はなかなか難しいですが)。学校だけでなく、商店街や地域の方々も協力的で、ボランティアも含め皆さんの助けがあって成り立っていますね。

 東住吉区では地域福祉サポーターを各小学校区に配置しており、私はこの東田辺会館を拠点に東田辺地域を担当している訳ですが、他に何をしているかというと、日常生活における“困りごと”に関する相談への対応や、専門機関・公的機関との連絡調整を行ったり、地域福祉のネットワークづくりを推進したり、様々な活動を行っています。ふれあい喫茶や70歳以上を対象とした食事サービスがあります。特にふれあい広場での昼食の提供やバザーで得た収益をなかよし食堂のために回したりと調整しながらやりくりしています。パルコープさんのことは、同じ東住吉区で子ども食堂をされている「ハートフレンド」さんから紹介いただいたことがきっかけでつながることができました。寄付物品等の配布という形になっている今、パルコープさんからいただく冷凍食品がますます活躍しています!生協さんやから安心ねと好評で、「あれ美味しかったわ~どこのん?」って聞かれることもあります。

顔なじみの親子と松下さん

 コロナが収束すればここでの飲食を再開させたいですが、まだ難しそうですね。今調理ボランティアさんには休んでもらっているので再開できるとなればまた来ていただきたいのですが…活動意欲が保てるよう定期的に集まるように心掛けています。また、食べに来ていた子たちの姿がほぼ見えなくなり、今どうしているのか心配なところもありますが、その日食べるものすら危ういというご家庭があれば区役所からの連絡を受けて、区を通して食材を渡してもらうということもしています。おかげさまで何かしらの食材はありますから」。松下さんと共になかよし食堂を担っておられる吉田さんは「これまで地域の色んな取り組みに参加してきた松下を中心に、人とのつながりでここまで来ました。過去にお世話になったお返しにとボランティアになってくださる方もいらっしゃいます。そういう意味では、地域の拠点として外せないこの会館が会場となっているのは大きいですね。今は用意したものをお渡しするだけになっていますが、季節ごとに抽選会をやったり、コロナ対策をしながらでもできることを模索しながらやっています」と教えてくれました。さらに松下さんは「大事にしてきたことは、休まずに続けること。それだけはこれからもぜったい外せないです。高齢者のための健康づくりも休まず続けていますが、この2年間で認知症の兆しが現れた方が増えているなど心配事は尽きません。やはり外に出て誰かと話をするという機会が奪われていることが大きな影響を与えているように思います。なかよし食堂も”居場所”として復活できることを願いながら動き続けていきたいです」。

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