はやねはやおきクラブ

掲載日:2025年4月28日

場所
大阪市平野区加美北7-1-30 大阪婦人ホーム
開催日
毎週火曜日 7:30~8:30ごろ
参加料
子ども:無料

はやねはやおきクラブ
のみなさん

わがまちの*子ども食堂訪問記 わがまちの*子ども食堂訪問記

 パルコープエリアにある「こども食堂」を訪問し、活動の様子や運営されている方の思いなどをご紹介します。
今回は、平野区にある「はやねはやおきクラブ」さんです。

朝でも食べやすいように、おにぎり・お汁と、時には丼ぶり物も準備

 公園が多く静かな地域にある大阪婦人ホーム内の地域交流センター。入り口には「はやねはやおきクラブ」の看板が出されている。早寝早起きをして、ここで朝ごはんを食べてから学校に登校しようということだ。用意される朝ごはんは、基本「おにぎり・お汁」で、時には丼ものやカレーも食べられるように準備する。伺った日は春休みの期間ということもあり、ちょっと遅めの8時前ごろからこどもたちが集まりだし人数も通常よりも少なめの17人。それでも初めて見る子もあり、学校が休みだから必要な状況も垣間見えるようだった。

朝でも食べやすいように、おにぎり・お汁と、時には丼ぶり物も準備

「ぜひ、やりましょう!迷っている場合じゃないですよね!」
との想いでスタート

 みなさんにお話を伺いました。

石田 易司さん(社会福祉法人大阪婦人ホーム・理事長)
「社会福祉法人大阪婦人ホームでは、1907年に、林歌子を代表者とするキリスト教婦人矯風会の女性たちが、女性のための職業紹介と、保護、自立支援を目的に創設しました。今も『すべての人が大切にされ、いのちを輝かせることができる社会をつくる』という言葉に集約して、先人の働きを継承しています。
 事業としては、女性のための救護施設で生活支援・就労支援・自立支援を行なっています。保育事業部門もあり、幼保連携型認定こども園・保育所型認定こども園・乳児園・学童保育、障がい児通所支援事業も運営しています。
 女性とこどもをめぐる問題はセットだと考えています。きっかけこそ学校からのSOSではありましたが、こども食堂も地域をつなぐ役割を果たしていければと思いますね。
 こども食堂は、2年前の夏に小学校の教頭先生から相談があったことがきっかけとなりました。地域のために子ども食堂ができたらいいね、と話していたところ、施設スタッフの一人が『ぜひ、やりましょう!迷っている場合じゃないですよね!』と決起してくれ、スタートしたんです。最初のうちは学校の先生方も毎週のように来られてこどもたちと一緒に朝ごはんを食べたり、密に情報交換も行うなどしていました。今でも先生方はご多忙の中、顔を出しに来てくださいます」。

お休みの日こそ食べることが難しい子も
いるんじゃないかと思い実施

この日の丼は「親子丼」

スタッフ・藤田 真弓さん
「はやねはやおきクラブは、社会福祉法人『大阪婦人ホーム』の救護部門の職員、保育部門の職員、地域の保護者さんなどで毎回5名ほどでローテーションを組んで朝ごはんを提供しています。中には、学生時代にこの施設で夜勤のアルバイトの経験もある、今は地域こども支援ネットワークにも関わる方もボランティアでお手伝いに来てくれていて。その方が一番多く入ってくれているかも。頼もしいですね。食事を食べるのは事前登録制にしてあり、親御さんの了解やアレルギーなどの情報を把握できるようにしています。その窓口は学校です。
 今日のおにぎりは、ネギの塩豚そぼろ・のり玉・梅わかめなど。春雨スープと、大阪府からの子ども食堂応援品のジュースやプリンなどもありましたね。親子丼も用意して食べたいものを選んでもらいました。春休みだから参加するこどもも減るだろうし、開催も悩みましたが、お休みの日こそ食べることが難しい子もいるんじゃないかと思い実施。早朝なのでスタッフも大変ですが開いてよかったと思いました。

この日の丼は「親子丼」

 ここの地域交流センターでは、こども食堂のほか、高齢者向けのイベントや100歳体操なども行われていて、町内会の交流の場としても活用しています。
 パルコープさんにはお米をいただき感謝しています。この先も『お米をどうやってやり繰りするか…』という心配もありますが、食材を無駄にしない工夫もして何とか頑張ります」。

法人としてもまだまだ果たせる役割が
もっとあるんじゃないかなと感じる

学校がある日は、この会場がほぼ満席になるそう

福越 直子さん(救護施設ホーリーホーム・施設長)
「こども食堂を始めるきっかけは、地域の集まりの場でした。年に1度、区役所・社会福祉協議会や学校の校長先生や地域の施設などが集まります。その時に学校の先生と知り合い、『ここで、こども食堂をお願いするのって難しいですか?』と相談を受けました。事情を聞くと、学校が開くまで校門の前で待っている子がたくさん居ると。おそらく朝ご飯を食べていないのかなーという子も居るようでどうしたものかと…。うちのほうも、やってくれる人が居るのか心配でしたが、意外と『やりましょう』と言ってくれて。現場のスタッフが学校まで話を聞きに行ってくれ、こういうことも大切なのかな…と。
 うちでやると決まってからも学校のほうでいろいろとフォローしてくれました。ここの施設は通学路から外れているので安全な導線を誘導してくれたり、開催のチラシも学校経由で配布。そのうち口コミで広がりどんどん賑やかになっていきました。
 以前から地域の高齢の方とは交流があったのですが、子どもとの交流はありませんでした。でもこども食堂をきっかけに小学生を取り巻く状況も分かってきて、さらに地域問題も見えてきました。
 私たちは、古くから女性の問題、貧困の問題に取り組んでおりますが、あくまで行政からの依頼待ちで、直接困っている人の現場に出向いていくということはあまり無くて、受け身なんですね。行政を通さず、直接そのことに触れることで職員にとっても勉強になるし、はじめは私たちがこどもたちに何もできないと思っていたけど、改めて法人としてもまだまだ果たせる役割がもっとあるんじゃないかなと感じることができます。
 こどもを橋渡しにしながら普段なかなか交流のない施設の職員どうしの交流もできていてありがたいことです。私たちにとっては単純に『こどもたちが可愛い』です。これからも続けていきたいですね」。

学校がある日は、この会場がほぼ満席になるそう

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