わがまちの子ども食堂訪問記【番外編】NPO法人 グッドネーバーズ・ジャパン

掲載日:2020年12月21日

場所
大阪事務所:大阪市東住吉区山坂1-5-22
  • NPO法人 グッドネーバーズ・ジャパン
鈴木 菜の葉さん

鈴木 菜の葉さん

わがまちの*子ども食堂訪問記

今回は、パルコープと提携している「NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン」の大阪事務所を訪問し、活動の様子や運営されている方の思いなどをうかがいました。

 グッドネーバーズ・ジャパンが取り組む、ひとり親家庭を対象としたフードバンク活動は「グッドごはん」と呼ばれ、食品の無料配付を行なっている。利用者は事前にホームページから登録し、月に1度受け取ることができる。
 通常時なら事務所まで来てもらって、カゴ1杯分の食品をお渡しする仕組みだが、大阪でスタートした今年8月はコロナ禍のため、急遽配送でのお渡しに切り替えたと言う。
 事務所に入ると集まった食料品を品目ごとに仕分けをしている真っ最中。一つひとつ消費期限なども確認し、箱に詰める物を決める。この日は中型の段ボール箱にお米・インスタント麺・缶詰・お菓子・飲料などを職員とボランティアさんが手際よく入れていく。お米は一番喜ばれるのでできる限り入れるようにしている。44箱できあがったところで作業完了。2日前に送った箱と合わせて10月は201世帯に発送した。

とにかく子どもたちのお腹を満たしたい

 大阪事務所で責任者をしておられる鈴木さんにお話をうかがいました。「『グッドごはん』は、私たちグッドネーバーズ・ジャパンが行う、ひとり親家庭を対象としたフードバンク事業です。2017年9月から東京でスタートしたのですが、ここ大阪では2020年8月からと、まだ始まって間もない事業です。グッドネーバーズ・ジャパンはそもそもどんなことをしている組織かと言うと、アジア・アフリカなど途上国を中心に、子どもの権利を守るための教育・医療・水や衛生・地域開発など多角的に取り組むことで、子どもたちの環境を改善し、貧困の連鎖から抜け出すことができるよう支援しています。また、国内外で自然災害発生時の緊急支援も行います。そんな私たちが『グッドごはん』を始めるに至った背景には、日本における子どもの貧困、とりわけひとり親家庭での子どもの貧困問題がありました。(※)
 東京ではこれまでのべ約5500世帯に食品を届けており、その利用者さんたちに対して、昨年生活状況の把握と効果を測るためのアンケート調査を行いました。その結果見えてきた実情と課題をふまえて、より多くのひとり親家庭に食品の支援ができるよう、今夏大阪にも食品の配付拠点を設けました。本当は、大阪でも少しずつ広げて少しずつ利用者さんと信頼関係を築いていけたらと考え準備してきていたのですが、さぁやるぞ!というところで想定外のコロナ。東京でやってきたように、食品を取りに来てもらうスタイルはどうしても対面が必要なので、コロナ禍においては難しい…。ですがここで始めなければ!と思い、急遽配送に切り替えて利用者さんを募りました。すると、いきなり初回の8月配送分で150名以上のひとり親の方々から申し込みがあり、支援を必要としている家庭がたくさんあると実感しました。
 生活が厳しい状況になると食費が一番に削られ、子どものおやつどころか満足に食べさせてあげることも困難になってしまう。そういったことからも、「食」は我々が一番入りやすく直接的に支援できるのではという思いです。こうした社会問題で一番影響を受けるのは子どもたち。ピンポイントで何か支援したとしても根本的な解決にはならず、色んな方向からのアプローチが必要です。そういった意味では『グッドごはん』の取り組みはあくまでも入口にすぎませんが、とにかく“子どもたちのお腹を満たしたい”気持ちで活動しています。

箱に入れるお手紙や案内は分かりやすく。利用者には外国籍の方もいるので、漢字が読めない方のためにも読み仮名がつけられていた

定期的な支援がありがたいです

 食材は、企業や個人の方々からいただいた寄付でまかなっています。フードバンク事業としてまとまった量の食品を集めるのは並大抵のことではありません。広くなるべく多くの方々に対して食をお届けするには、もちろんスポットでのご支援も大歓迎ですが、定期的な支援が特にありがたいです。だからこそパルコープさんから毎月まとまった食品をいただけることは本当に支えになっています。お米はもちろんですが、シングルの親御さんはダブルワークなどで忙しく、簡単に食べることができるレトルト食品などもとても喜ばれますね。
 配送でお届けなので、基本はほぼメール上のやり取りでしか利用者さんとのコミュニケーション手段はありませんが、申し込み時に前回の感想を書いてくださる方も多くいらっしゃいます。それに対面でない方が相談しやすいこともあるだろうと思っています。メール以外では、お届けする食品に必ずお手紙を添えるなど、何とか対面でない形でもコミュニケーションをとれるよう努めています。また、利用者には外国籍の方もいて、ご本人が日本語が話せない(読めない)場合もあります。そういったコミュニケーションが取りづらい方こそ本当に必要とされているケースも多いかと思うので、案内を何ヵ国語かのバージョンで用意し、もっと入口を広くしていこうと、今動いています」。

※2019年の厚生労働省国民生活基礎調査によると、国内のひとり親世帯の子どもの2人に1人にあたる48.1%が貧困状態にあるという。

こども食堂応援募金