えがお食堂にこにこ
掲載日:2025年1月27日
- 場所
- 守口市梅園町4-12 土居東会館
- 開催日
- 毎月最終土曜日 11:00~13:00
- 参加料
- 子ども:無料 / 大人:300円

えがお食堂にこにこのみなさん


パルコープエリアにある「子ども食堂」を訪問し、活動の様子や運営されている方の思いなどをご紹介します。
今回は、守口市にある「えがお食堂にこにこ」さんです。

京阪「土居」駅からほど近い土居東会館にて。まず、歩いて10分ほどの場所にあるビルの3階で保管している備品等を、ここまで運ぶことから準備は始まる(台車で2往復くらい)。
メニューは毎回お決まりのカレーライス。この日は他にも、つながりのある企業からさつまいもスティックの提供があったり、手作りクッキーやお菓子の差し入れに立ち寄られる人々、そして子どもたちでわいわい賑やか。「うめちゃんうめちゃん」と方々で引っ張りだこの梅木さんであった。

守口を盛り上げたい!と
受け継いでやってみることに
代表の梅木さんにお話を伺いました。「『えがお食堂にこにこ』は、もともとは違う名称(こどもにいいこと食堂)で、別の方が立ち上げました。ですがその翌年、先代が引っ越しや子育てなど生活環境の大きな変化により続けられなくなり、『子ども食堂やらへんか』と僕のところに声がかかったのがはじまりです。先代からは、来てくれる子どもたちのため、そしてせっかく『くらしサポートセンター守口※』さんから認定してもらった子ども食堂だったんで、潰すのはもったいないという思いを聞きました。
僕自身、2018年くらいから地元である守口を盛り上げたい!と思うようになっていたのもあって(詳しくは後述しますが)、先代の意思を受け継いでやってみることにしました。
当初は子どもたちとその日のメニューの買い出しからスタートし、商店街の中の空き店舗で調理して、食事して、時にはイベントごともして…とわいわい賑やかだったんですが、引き継いでほどなくして新型コロナの影響もありその場所が使えなくなり調理ができなくなりました。『だったらこっちでカレーを作ってみんなで食べるか!』と、商店街のフリースペースで試みましたが、みんなで調理できなくなったこともあって、それまで来ていた子どもたちは姿を消し、場所を変えてからは数人しか来ませんでした。商店街の人かからも、『子ども少なかったらやってる甲斐ないやろうから、隣町に住んでる親戚の子を連れてこよか?』と、心配して声をかけてくれるくらいでした。
そんな状態が1年くらい続き、継続するかどうか悩んでいたころ、今の仲間たちと出会いました。主要メンバーは5人。みんなでそれぞれが目的を持ちながらやっています。
メンバー紹介
『海斗くん』は、知人から譲り受けた、作り間違いやサンプル品で着られるけど売れず捨てられてしまう服のリユース品を子どもたちに配ったりもしています。もう1人は、僕が地域活動する中で知り合った笑顔がステキな『とくちゃん』。そして、ヤノさんとアシダさんはカレー担当。ヤノさんは普段は飲食店をやっている方で、アシダさんはヤノさんの友人で、このお二人がいなければやっていけない!というくらいカレー作りにおいて唯一無二なメンバーです。
最初は僕ひとりで作っていたカレー。やがて海斗くんが加わり2人で作るようになりましたが、そのカレーを食べたヤノさんが『こんな美味しくないカレー子どもたちに食べさせたらかわいそうやわ!』と見かねて作ってくれるようになったんです(笑)それから各段にカレーが美味しくなりました。
ヤノさんがはじめて参加してくれた回の反省会で、『手伝うんやったらもっとちゃんとやりたい』『目的をもってやりたい』と意見を言っていただき、僕もその気持ちを受け止め、ヤノさんのつながりで小学校の掲示板にチラシを貼らせてもらえるようになりました。そこから徐々に来る子どもたちが増えてきて、今の場所も紹介してもらったんです。
おもろいからええやん
そこに笑顔があるならええやんって思ってやっています
ここで僕自身の話に戻りますが…
地元はこの守口市、えがお食堂があるさつき学園校区で育ちました。小中高校時代はいわゆる“陰キャ”で、根はおとなしい性格です。なので、今地元の同級生に会ったりするとびっくりされます(笑)
常に自分を変えたいという気持ちはあって、営業マンになればしゃべれるようになれるのでは、と高卒で鉄鋼関係の営業職に就きました。ですが、明るく前向きな社風の会社で、内気で後ろ向きな僕はうまくコミュニケーションが取れず、毎日会社に行くのがとにかく苦痛でしょうがなく4年で退職しました。これからどうしよう…と思っていたら、ふと、高校在学中に一時していたコンビニのアルバイトが楽しかったなと思い出し、退職した3日後にはバイトの面接へ足を運んでいました。
そして気付いたんです。自分からコミュニケーションを取りに行くのは苦手だけど、来てくれた人としゃべるのは好きなんや!と。自分は社会不適合者なんだと悩んだこともありましたが、仕事って相性があるんや!と前を向くことができました。
そこからは、学童保育(いきいき)や子どもの宿題をみるアルバイトなどいろいろしました。当時は小学生や小さい子どもが苦手だったんですが、イキイキと生きながら少しずつ関係構築していくことができるように。実はその時から何となくキッチンカーをやろうという気持ちが芽生え、キッチンカーのアルバイトなんかもやりました。僕は飽き性で毎日同じ場所で仕事をするのは無理だな~と思っていたので、それがとても自分に合っていて、2年間経験を積んだ後、2016年に独立開業しました。
今でも子ども食堂をするかたわら、移動するメロンパン屋さん『みるらメロンパン』を運営しています。以前勤めていた会社もすごく良い会社でしたが、自分にとっては行きたくなくてしょうがなかった。でも移動メロンパン屋をはじめてからは一度もそう思ったことはありません。本当に、仕事って相性なんだなと感じています。
地元を盛り上げたいと思いだしたきっかけはというと…
ある日、門真市で商店街のアーケードが解体されるという話を聞き、地元のアーケードも、いつか解体されたら嫌だなと少し危機感を覚えました。そこで、何とか商店街を盛り上げるためイベントをしよう!と、どうすればいいか分からない中、キッチンカーの仲間とつながっていたので、『商店街にキッチンカーを設置してイベントをしよう』と思いつき、キッチンカーイベントを商店街組合に提出しました。そして無事その案が通り、土居駅から北に伸びる土居地区商店街のアーケードの一部、13軒の空き店舗前にキッチンカーを設置したイベントを開催しました。このことがきっかけで、地域のいろんな人から声をかけていただけるようになりました。
そして、子ども食堂やってみいひんかとお声がかかったことにつながります。

つながり、つながり、ここまできましたが『このためにやっている』というのは全くないです。よく『何のためにやっているの?』と聞かれますし、何かをするには目的や計画、ゴール設定が必要だったりしますが、ただ楽しいことおもしろいことにチャレンジしたい。友人からは、目的のない『楽しい』に人を巻き込むのはどうなんだろう?と鋭いツッコミをされたこともありますが(笑)おもろいからええやんそこに笑顔があるならええやんって思ってやっています。正直今やっていることも一生続けるかどうか分かりません。子どもたちにおいしいご飯を届けたい、手伝いたい、リユースできるものを並べられる場所が欲しいなど、スタッフみんな目的もバラバラです。でもそれでよくて、こうして出会えたことに意味があると僕は思っています。
同じ守口市内で子ども食堂されている方から、子ども食堂なんてないに越したことはない、という話も聞きましたが、一方で僕の場合はほぼ趣味でやっていることなので、逆に来てくれてありがとうと子どもたちに伝えています。いつも募金を寄付してくださる方、お菓子や食材を提供してくださる方、多めに参加費出していってくださる方、みなさんにもめちゃくちゃ感謝しています。
僕は他に『守口大好き人間』として悩みきき屋さんやイベント企画、講演活動などいろいろやっていますが、その中のひとつである『働く体験』という事業を通して、働きたくても1歩踏み出せない人に働く体験の機会を提供する取り組みも行なっています。これまでの自分の経験を活かし、その人に負担のかからない範囲で、どんな仕事と相性がいいかを確かめたり、仕事の楽しさを体感してもらうために、まずは『体験』という『0.5歩目の機会』を提供しています。その機会の場所としてメロンパンの移動販売を採用しています。
賛同してくださる仲間も募集していますので、こども食堂も含め興味のある方はぜひお声かけください!」
※くらしサポートセンター守口…生活全般にわたるお困りごとの総合窓口。一般社団法人ヒューマンワークアソシエーションが守口市役所より委託を受けて行っている事業で、「守口こども食堂ネットワーク」を発足し、守口市内の子ども食堂を運営・支援している。