子ども食堂あいカフェ
掲載日:2024年10月21日
- 場所
- 大阪市都島区友渕町1-3 市営友渕住宅集会所
- 開催日
- 毎月第3火曜日 16:30~19:00
- 参加料
- 子ども(満18歳未満):無料

あいカフェのみなさん
あいカフェのみなさんと、ちょうど食品を届けに来たパルコープ子ども食堂・担当職員と一緒に


パルコープエリアにある「子ども食堂」を訪問し、活動の様子や運営されている方の思いなどをご紹介します。
今回は、都島区にある「子ども食堂あいカフェ」さんです。

開催場所の市営友渕住宅集会所では、8月のテーマ「夏まつり」の飾りつけの真っ最中。くじ引きや、お菓子&景品つかみ・射的・手作りワニワニパニックなども準備してお祭りがスタート。雨が降ったり止んだりする中、訪れた子どもたち・親子は、思い思いに楽しみ大賑わいだった。
あいカフェと言えば、申込30分以内で定員締切となるスタッフさん手作りの「デコカレー」。見た目も可愛いカレーは事前予約制で、約70食を4人ほどのスタッフが集会所の小さなキッチンで奮闘されているそう。この日は代わりに(株) 王将フードサービスさんから提供があった「夏休みお子様弁当」をお渡しされていた。

微力だけど地域のお役に立てることがないかな…と
考えていました
代表の藤井さんにお話を伺いました。「都島区に引っ越しをしてきた時、お世話になるこの町に、微力だけどお役に立てることはないかな…と考えていました。
そんな折コロナが蔓延し行動が制限される日々が続きました。この時にできる事はないのかと考え、仲間そして子どもたちと一緒に大阪市総合医療センターの医療従事者の方々へメッセージを送ったり、罹患された方々の偏見をなくそうとシトラスリボン運動に共感し製作し届けたりしていました。
それと同時に、子どもたちが置かれている社会と未来も常に考えていました。子どもたちを取り巻く環境は子どもたちにとって良いものだろうか。連日ニュースで流れてくる子どもに関する事件、貧困・不登校・いじめ・心の問題について、微力ながらでも、何かできることがないだろうかと考えるようになりました。
そんな中、都島区に、子どもたちのサードプレイス(第3の居場所)である子ども食堂が少ないことを知りました。子どもたちに学校でも家庭でもない場所が必要なのではと強く思い、そのことを友人達に話すと『それ良いね!』と賛同してくれ、その仲間たちと一緒に、2022年5月から子ども食堂をスタートしました。
子どもたちにとって愛溢れ、
楽しく安心感のある場所に
スタッフは、栄養士・保育士・教師など様々な経験を積んだ子育て中のママ達が中心で、それぞれの専門性をもって力を発揮しています。
「あいカフェ」という名は、幾つかの候補をあげて、スタッフの子どもたちが選びました。すべての人を大切にする愛が溢れる場所、「出会い(愛)」を通して、いろいろな境遇の人、世代を超えて出会い繋がる事ができる場所という思いを込めて名付けられました。
大人は、子どもたちを大きな愛で包み込むことが大切だし、子どもたちは、自分らしくいられるように温かい目で見守ってくれる存在が必要です。
スタッフにとっても、自分の特技を生かして楽しみ喜びでできる、社会や地域に貢献できて共に喜んでくれる人達がいるという事は本当に大きいです。感謝そして喜びがあるので、続けることができています。これまでもあっという間に年月が過ぎました。

当初、都島区社会福祉協議会の方に場所を紹介していただき、近隣の各学校への挨拶、児童センターには快くチラシを置かせていただきました。
スタッフが真心でお渡しするデコカレー、手作りスイーツ、そして毎月テーマを決めての保育(イベント)が主に口コミで広がり、毎月100人超となりました。
スタッフも、教会、地域、大学紹介による学生さん等、多様で幅広い年代の方々がボランティアとして助けてくださり運営しています。最近は、遊びにきていた子どもたちが、自ら進んで手伝ってくれる嬉しい光景を目にするようになりました。
パルコープさんとのお付き合いも、立ち上げ時からになります。当時はまだ都島区内に食材を提供されている子ども食堂がなかった事もあり、本部拠点がある都島区で子ども食堂を開設することをとても喜んでくださいました。今思えば、その事が『この地域でも必要とされている居場所』と背中を押される出来事となりました。食材は、フードパントリーとしてお渡ししており、保護者の方々は毎回大喜びで受け取られています。
『あいカフェ』のコンセプトは “子どもたちにとって愛溢れ、楽しく安心感のある場所”です。
大人も子どもも、社会の中で、各自荷を背負いながら、一生懸命生活をしています。
助け支え合える地域社会の中で、子どもたちを温かく受け入れ、親子共にここに来ると楽しく癒され笑顔になる、そのような居場所になれたら嬉しいです。これからも必要とされる限り、スタッフと感謝と喜びの心で活動を続けていきたいです」。

ともこさん
遊びの担当をしています。
私が大切にしていることは、『親子でほっこりできる場所作り』です。
毎回テーマを決めて、季節の絵本や遊びを準備しています。(夏祭り・ハロウィン・クリスマス等)
デコカレーと提供する品物の数には限りがありますが、気軽に遊びに来ていただける居場所でもありたいと思っています。
楽しみにしてくれているお子さん達の笑顔が大きな支えです。
稲岡さん
食事の担当をしています。準備は毎回3・4人で、時間との戦いですね。
食事は基本「デコカレー」を作るのですが、毎回のテーマに沿ってデコレーション。動物の形にしたり、12月の雪だるま、6月のカエルなど、見るだけで楽しくて嬉しく笑顔になれる、食べても美味しくて笑顔になれる食事を提供したいなと思って、旬の食材も取り入れて栄養面も考慮して食事作りをしています。
以前、母の日企画でやった『世界に一つしかないママカレー』は、仕上げは子どもたちにデコレーションしてもらおうと、あえてこちらで仕上げずに、顔のパーツを別に小袋にセットして提供。お家で大いに盛り上がったようで大好評でした。
当初30食くらいを想定して作っていた食事も、もうちょっともうちょっとと量が増えて、最大で90食くらいに。集会所に設置されている2台のガスコンロしかなくて置く場所もないくらいになるのですが、必要とされている方も多いのでその要望に応えるために、工夫しながら、どうやったら必要とされている食数に応えられるのか考えています。炊飯器等電気を使いすぎてブレーカーが落ちたことも。毎日教訓を生かしてこの環境の中でできうる最大限を目指しています。
忙しい子どもたち。毎日一生懸命がんばって生活していて、食事のひとときだけでも笑顔になってくれたらいいなと。心も身体も癒されて満たされる食事を、みんなで心を込めて作っています。なかなか形では見えないけれど、毎回それを大事にしていますね。
顔の表情などを作る海苔パンチに苦戦したり試行錯誤も多々あり大変ですが、子どもたちが笑顔で『おいしかった』という声を聞きながら「やって良かったな」と自分自身チカラをもらって、喜んでもらえることにやりがいがすごくありますね。本当は親子で食べる事かできたらよいのですが…。
スタッフも協力し合いながら助け合って、この場所で今まで続けてこられた事がありがたいことだと思いますね。
渋谷さん
「中高生部屋」を見守る担当です。
中高生の子どもたちのために、小学生とちょっと離れて静かに落ち着ける場所をと、集会所の和室を「中高生部屋」として使っています。
好きな時間に来て、好きなだけ居られて、好きな時間に帰ってもいいよというルールで。ちょっとしたおやつを用意して、本も読めるように準備。くつろげる空間を意識しています。
この時にはインテリアも工夫して、可愛いフワフワのじゅうたんを敷いたり、テーブルクロスを敷いたりアロマキャンドルを置いたり、ちょっと洋風に飾り付けするのです。実はこのインテリアは私の娘がコーディネイトしています。そういうことが好きで、率先して取り組んでくれるので、親の私も嬉しい。娘が外と繋がることができるきっかけにもなっています。中高生の子どもたちにも、娘にとっても居心地の良い居場所作っていきたいです。
