こども食堂すまいる遠里小野

掲載日:2023年9月25日

場所
大阪市住吉区遠里小野7-6-29 大阪市営遠里小野第2住宅 集会所
開催日
毎月第2・第3金曜日 17:00~19:00
参加料
小中学生:100円 / 高校生以上:300円

すまいる遠里小野の
みなさん

わがまちの*子ども食堂訪問記 わがまちの*子ども食堂訪問記

 パルコープエリアにある「子ども食堂」を訪問し、活動の様子や運営されている方の思いなどをご紹介します。
 住吉区にある「こども食堂すまいる遠里小野」さんです。

」

 市営住宅の集会所で月2回開催されている、すまいる遠里小野。この日は4名で食事の準備中。メニューはこの時期に食べやすい、具沢山ひやむぎ、炊き込みご飯おにぎり、みかんゼリー。すぐ側の公園で遊んでいた男の子5人組が一番乗りで、「ひやむぎって、そうめんちゃうん?」など言いながらワイワイ食べていた。開催日が近くなると、集会所の入り口に貼られているポスターにメニューが掲示されるので、子どもたちは見に来て楽しみにするらしい。

こども食堂すまいる遠里小野

安心して立ち寄れる
子どもたちの居場所として

 代表の近江さんにお話を伺いました。「すまいる遠里小野は、小・中学生なら誰でも安心して立ち寄れる子どもたちのための居場所として、2017年に活動を始めました。私が大阪市ひとり親家庭福祉連合会の副会長をしていた時に、市役所の子育て支援室の局長から『子ども食堂を立ち上げてほしい』と相談がありました。うちも母子家庭で、子どもたちがよくご近所さんに面倒を見てもらっていた経験があり、いずれ何かの形で返したい、お世話になった地域に恩返ししたいという思いがあったので、そのひと言が後押しになったのです。
 それにしても一体どないしたらええんや?といろいろ学ぶため見学に行ったり、区役所の方に相談して申請関係など手伝ってもらいながら、この集会所を借りてスタートすることができました。基本ここには近所の小学生が友だちどうし連れだって、たまにお母さんと一緒に幼稚園児も来られます。今私が所属している主催団体「住吉区母と子の共励会」は、ひとり親家庭を支えるための団体(各区にある)ですが、母子・父子家庭のみならず、こどもたちの成長を食事を通して見守っています。始めた当初は小学校低学年だった子が、卒業して今は中学生になってぐんと大きくなっている姿を見ると、成長したなぁ~と嬉しくなりますね。

この日は近くの杉本町みんな食堂のスタッフさんも手伝いに来ていた

 今日調理してくれているのは児童民生委員長さん。あとの2人は近くでやっておられる『杉本町みんな食堂』※のスタッフさん。いつも手伝いに来てくれて助かっています。子ども食堂を続けていく中で、色んなつながりができて広がっていくというのは私にとって大きな財産です。
 食材は、パルコープさんの他に大阪市や大阪府からレトルト食品・乾きもの、あとは社協さんからお米や油・お菓子などをいただきながらやりくりしています。この集会所の一室を食料倉庫に使わせてもらっていて、別のスタッフさんが分かりやすくリスト化してくれた一覧表で管理しています。早めに使った方がいいものは色分けしてくれていたり、そのままで使えるもの、ひと手間かけて食べられるもののリストを分けてくれていたり、一目見て分かるように工夫されていていつも感謝しています。

 コロナ禍はさすがに休まざるを得なかったことがあったんですが、子どもたちに『なんで休むん!』って言われまして(笑)こりゃ休んでいられないなとできる限り開け続けてきました。そんな中、お持ち帰りの要望が出たので取り入れましたが、今はほぼ会食形式に戻っています。希望があれば今でも持ち帰りОKです。ただし、その場合容器はおうちから持参してもらってこちらでおかずを詰めています。色々検討しましたが容器もけっこうお金がかかるんですよね…。だからその辺は協力してもらっています。
 うちは予約制にはしていません。いつもだいたい30人くらい来られるんですが、人数がよめなくてカレーがルーだけになったりすることもあって、子どもたちに『予約制にしよか?』と相談したことがあったんです。でもそれは止めてほしいって。学校行事や急な予定の変更もあるからって。子どもって面白いですよね。
 ご飯はみんなで食べるからか割と何でも食べてくれますよ。食べ終わったらちゃんと食器を片付けに来てくれるしね。その後はお楽しみの『お菓子すくい』で盛り上がります。毎回ではなくて、半端なお菓子で詰め合わせセットを作ってそれを持って帰ってもらうこともあります。やっぱりお菓子が特に喜ばれますね。だから子どもたちにとっては食べ終わってからが本番なんです(笑)

この日は近くの杉本町みんな食堂のスタッフさんも手伝いに来ていた

 住吉区の社協や区役所とつながりがあるので、窓口に相談に来られた人にここを紹介してもらうこともあります。そうやってここに来てくれた子も居心地がいいのかけっこう居てくれたり、笑顔を見せてくれたりします。私たちも子どもたちの笑顔に元気をもらっています。
 これからも、いただいたご縁とつながりを大事にしながら、子どもたちの成長を見守り、お世話になった地域に恩返ししていけたらと思います」。

※杉本町みんな食堂…大阪府住宅供給公社とNPO法人チュラキューブがタッグを組み、2018年にスタートした地域食堂。地域で暮らす高齢者をはじめ、地域の方の栄養バランスを、 障がい者が食事を提供することで支えていくという取り組みをしている。このすまいる遠里小野にもNPO法人チュラキューブを通して障がいを持った方が派遣されることもある。
 地域住民が現場で働く障がい者の応援団となり、障がい者にとっては得意を活かせる居場所にもなっている。

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