あーす地域食堂

掲載日:2023年2月27日

場所
大東市三住町2-1 地域生活支援センターあーす
開催日
毎月第3土曜日 12:00~14:00
参加料
中学生以下:無料 / 高校生以上:300円

ふらっぷ職員のみなさん

わがまちの*子ども食堂訪問記 わがまちの*子ども食堂訪問記

 パルコープエリアにある「子ども食堂」を訪問し、活動の様子や運営されている方の思いなどをご紹介します。
 今回は、大東市にある「あーす地域食堂」さんです。

「たくわんは3切れじゃない方がいいよ。“身切れ”で縁起がよくないからね」調理ボランティアさんたちの掛け合いは絶えない。「もともと料理を作るのが好きだから、喜んでもらえるのは嬉しい」と笑顔で対応してくれた

 大東市役所にも近い幹線道路沿いに建つ「地域生活支援センターあーす」。ここの施設を使って開催されているのが「あーす地域食堂」さん。普段からこころの病や障がいのある方へのサロンや昼食のサービスも行なっている施設なので調理場も充実している。それでも、希望者の増加で調理した食事をお弁当に詰めるなど作業スペースはめいいっぱい。この日は16人のボランティアさんが約80食のすき焼き・おにぎり弁当を調理したり、寄付された食品を袋詰めされていた。

地域のみなさんと交流ができる居場所づくり

 あーす管理者の米尾さんにお話を伺いました。「あーす地域食堂は、『みんなで食べるとおいしいね!』と、食事を通じて、子どもたちが安心して地域のみなさんと楽しく交流ができる居場所づくりを目指し、2021年2月からスタートしました。ご飯をひとりで食べている子や仕事が忙しくてご飯を作る時間のないお母さんをはじめ、障がいのある方や高齢の方も参加しています。参加には登録と予約が必要になります。アレルギー等の把握のため登録と、お弁当配布形式のため予約をお願いしています。
 運営は私たち社会福祉法人ふらっぷの職員と訪問介護ステーション「愛ホームヘルプサービス」のヘルパーさんがボランティアで主に調理に関わってくださっています。『作業療法士』『精神保健福祉士』『社会福祉士』の専門職員が、子どもたちの体、心の健康、子育ての相談などについても対応できるというのが強みですね。

 日ごろ私たちは、地域生活支援センターとして地域の中で誰もがあたり前に生活するためのお手伝いをしたり、こころに病がある人・発達障がいの子を持つご家族の悩みなどに寄り添う活動をしているのですが、この食堂をきっかけに地域とつながり、お悩みの早期発見につながればという想いでやってきました。
 また、地域にはそういった方だけでなく、色んな考え方、色んな個性を持った人々が暮らしています。子どもの頃から多様な価値観、多様な個性に触れるというのも大事ではないかという考えも、”地域食堂”としている理由のひとつです。実際、この食堂は、障がいのある方や地域の子どもから大人まで幅広く利用されていて、始めた当初は30食ほどだったのが、今や80食を超えることも!
 ボランティアスタッフも、地域生活支援センターの利用者さんや学生さんなど多様なメンバーがいます。メインの調理はベテラン主婦でもある女性のみなさん。仕事がヘルパーということもあり本当に頼れる存在です。その他のメンバーも、詰めたり・袋に入れたり・受付をしたり・食品の詰め合わせセットを作ったり、それぞれ自分たちにできる役割を持ってやってもらっています。いつもボランティアのみなさんがいることで成り立っているなと実感しています。
 食材は、参加費(高校生以上)の他、パルコープさんからいただく食品、大阪府からのお米券やお肉券、レトルト食品や缶詰などの支給、知人から寄付でいただくお野菜などでまかない、調理ボランティアさんたちと相談しながらメニューを決めています。栄養や彩り、季節感にもこだわっています。

お弁当作りはボランティアさんの総力戦。かたわらでは缶詰・飲料などを袋詰め作業中

「私とあなたと地域とともに」をモットーに

 『食事時間』は施設の2階で食事スペースを設けていますが、コロナ禍に始めたので実際のところみんなで食事というのはまだ実現できていません。ですが、お弁当のお持ち帰りだけでなく、できる時は昼から遊びや工作などのプログラムを用意しています。これまで、映画鑑賞やシャボン玉・スライム作り・ビンゴ大会・季節のイベントなどを実施してきました。コミュニティソーシャルワーカーさん(※1)が、一人暮らしのご高齢者やハンディキャップを持っておられる方に声をかけ、得意なことを活かした参加を呼び掛けてくださることもあります。そうやって、この食堂があらゆる人々の『得意を発揮できる場』にもなればいいな…と思ったりもしています。最近では、外に出られない方にお弁当を届けるデリバリーも始めました。人と対面することによって、外とつながっている実感を持ってもらえたら幸いですね。
 また、お弁当配布の際に連携している福祉団体(※2)のイベントチラシをお渡したところ、食堂利用者が親子でそちらにも参加してくれたということもありました。食事を通して楽しく交流とまではいかないまでも、徐々に地域のつながりが広がりをみせているような気がして嬉しくなりました。

 私たちの課題は、本当に困っている方にどう届けられるか。困っている人ほど声を出せなかったりしますが、なかなかそういった情報が得られない中で私たちにできること。それは、だれでも参加できるこうした取り組みを知って入ってもらって、しんどくなったらちょっと相談してみようかな、と思ってもらえる関係性を少しずつ作っていくことかなと。地域生活支援センターの利用者さんとも『対利用者じゃない関係づくり』をして、地域とのつながりを強め、そうした先に例えば災害時など困った時はみんなで助け合えるような地域になっていけばいいなと思っています。 これからも、「私とあなたと地域とともに」をモットーに取り組んでいきますので、ぜひお気軽にご参加ください」。

※1:地域において、支援を必要とする人々の生活圏や人間関係等環境面を重視した援助を行うとともに、地域を基盤とする支援活動を発見して支援を必要とする人に結びつけたり、新たなサービスを開発したり、公的制度との関係を調整したりすることをめざすもののことを「コミュニティソーシャルワーク」と言い、コミュニティソーシャルワーカーとは、このコミュニティソーシャルワークを行う者のこと。

※2:大東市精神保健福祉を考える市民の会「ぶんぶん」…市民ひとりひとりが心の健康について共に考え、こころに病を持つ人々があたりまえに一市民として地域のなかで暮らしていくことを願って発足し、他団体と協力しながら広く市民に理解や交流する機会を提供している会。

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