生産者さんおじゃましまーす

掲載日:2017年09月25日

お手軽国産酢豚セット/愛媛県・(株)山彦(やまひこ)

進化しつつも、20年以上変わらぬ味を守り続けているロングラン商品です
(栗田専務)

全国生協を中心に、鍋セット・麻婆豆腐セットなどの商品を取り扱っておられる山彦さん。
中でも「お手軽国産酢豚セット」は人気です。
商品開発の歴史や、人気のひみつである"酢豚タレ"の製造方法など、お話を伺いました。

当社は、1980年に漬物の製造販売業として創業し、主にしば漬けの製造を行っておりました。
後に、父親が地元で肥育していた「雉(きじ)」を使った鍋セットを加工・販売するようになり、食肉の加工品も手掛けるようになりました。
やがて、販売の中心となる鍋セットの需要は冬場に偏るということから、夏場の商品として中華メニューで一番人気の「酢豚」を開発。
その販売を機に全国の生協様とお取引するようになりました。

組合員さまの声に応え、リニューアルを繰り返して

まず、最初に発売した酢豚セットは、下味をつけた豚肉の角切りに衣をまぶしたものと一緒にタレをセットしたものでした。
ご家庭で油で揚げた後に野菜を加えてタレを絡めていただくもので、全く売れませんでした...。
そこで、フライヤー(揚げる機械)を導入して豚肉を油で揚げることに。これが好評でした。
それ以降も、「お肉が硬い」の声には豚肉に調味液をしみこませて柔らかく仕上げる工程をプラスしたり、「脂が多い」の声には豚肉の角切り前に表面脂肪を除去する選別スタッフを配置したり。
「タレを増やして!」との声でタレも増量したんですよ。これ以外にも、ご家庭にある常備野菜を使って手軽に夕食のメインディッシュを調理できる酢豚セットを目指して、作業工程の見直しや包材変更を行なってきました。
「お手軽国産酢豚セット」は、組合員の皆様のご意見をいただきながら進化しつつも、20年以上変わらぬ味を守り続けているロングラン商品です。
これからも、まだまだおいしく使いやすくリニューアルは繰り返していく予定ですので、是非いちどお試しいただきたいです。

豚肉は表面揚げとスチームの2段階で

国産豚肉のメインの産地は西日本(九州・四国・中国地方)で、すべて国内産の豚モモ肉を使用しています。
豚モモ肉は赤みが多く表面脂肪が適度にあってお肉に旨みがあるんですよ。
衣付けの前に、醤油・酒・しょうがなどで下味を付けるのですが、さらに味の浸み込みをよくするために脱脂粉乳・塩・なども調合してジューシーに仕上げています。
フライするのにもポイントがありまして、まずフライヤーでお肉の表面を揚げます。
その後にスチームオーブンというガスの熱風と蒸気のトンネルを通過することにより内部まで加熱。
油で揚げるだけで内部まで火を通そうとすると、表面の水分が奪われてしまい食感が悪くなるのを防いでいます。

自社で煮出す"地鶏スープ"が酢豚タレのおいしさのひみつ

酢豚タレも自社で作っています、大きな鍋で煮出す地鶏スープ(地鶏がら、イワシ節、コンブ)をベースに、酢・醤油・ケチャップなどで味付け。
調味料やエキスだけに頼らない素材の味を大切にしています。
冷凍流通が得意な生協様だからできることとして、一般的な酢豚タレはトロミを付けるために増粘剤等を加えた粘度の高いタレになっていますが、冷凍用に製造している当社のタレは未加熱の状態のままで、でん粉をそのまま配合できることから、調理の仕上げに加えるときには「サラッ」としていて、具材によく絡み、加熱(炒める)することによって全体にトロミがつくようになっています。
タレをよく振ってから使用くださいね。

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