掲載日:2010年08月30日
絶景のリアス式海岸と山。手付かずの自然、その反面、雇用が少ない田野畑村(たのはたむら)。
何とか雇用を作ろうと村と(株)アマタケが共同出資をして、(株)甘竹田野畑(あまたけたのはた)を設立。
1988年に合鴨(あいがも)の肥育から解体加工までの一貫生産を始めました。
大阪から、いわて花巻空港まで約1時間半、空港から車で3時間半掛けて到着する、「岩手鴨鍋セット」の産地、岩手県田野畑村。
ここは、合鴨のふるさとイギリスのリンカーン郡と似て、海からの風もあたり、夏でも暑くなりすぎず、冬は外から立ち入ることができない程の雪に覆われます。
合鴨の鶏舎団地は山の中、5~6棟ごとに建っています。
万一、一つの鶏舎で病気の発生があっても、最小限の被害に留めるため、団地間は車で15分ほども離しているのです。
野鳥からの病気感染を防ぐためバードネットで囲い、鶏舎団地から鶏舎団地の間を移動する車は、浄化槽を通ったりして、必ず消毒をします。
「手を抜くと鴨を殺すことになる。口をすっぱくして『病気を出したらおしまいだ』と言い、若い人たちに感染予防することを浸透させています」と村田光輝さん。一貫生産を始めた当時の様子を語ってくれました。
左:日本一の景勝地と言われる海岸「北山崎」
右:(株)甘竹田野畑 村田 光輝さん
「当時はパルコープさんから田野畑にやって来て、僕らが知らない衛生面の改善をいろいろ言われ、正直大変でした。
ノイローゼみたいになっちゃった。でも、資金が続く限り設備を整えていきました。
僕たちは素人集団のスタートだったけど、良いものを作れば食べてもらえると確信して、生産に関してわからなければ先輩の鴨屋さんなんかにドンドン聞いた。
『生まれ育ったここで食っていくんだ。死に場所にするんだ』とチャレンジ精神でやってきたし、そうしてやってきたことが楽しかったですね。
これからも地元に帰ってきたい人たちを受入れるため、たくさん食べてもらえるおいしい鴨を作り続けたいと思っています」。
好奇心旺盛なのに、臆病な合鴨。オスは「ギー」、メスは「グァグァ」と鳴きます。
合鴨の肥育担当10年目の佐藤博之さんに伺いました。
「高校卒業後、地元から離れて働いていたんです。でも海が好きで、海のある地元に戻りたかったんですね。
新しい仕事で不安だったけど、この仕事があったから帰ってこれました。
この仕事は生きもの相手で大変だけど仕事を覚えていくと、楽しいんです。
卵から雛へと成長を見て、大きくなると、うれしい。逆に、小さいと何が悪かったかなって考えてしまう。
毎朝、もみまき、えさやり(魚粉や穀物)や水のチェックをします。
朝、合鴨が元気かどうかって?いつも元気ですよ。元気じゃないと大変なことです」。
佐藤さんは二児のお父さんでもあり、田野畑村で子どもたちは育っています。
合鴨生産者・佐藤 博之さん
旭区・岸本直子さんから昨年、ぱるタイムの特集に寄せられたおたより
岩手鴨鍋セット【冷凍】280g+スープ50g×2
9月3回 680円
鴨ソテーわさびじょうゆ添え
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