生産者さんおじゃましまーす

掲載日:2010年07月26日

みずなす漬/堺市・堺共同漬物(株)

  ぎゅっと搾れば水がジュワーっと流れる、そんなところから「水なす」。
「いずみの国」の頃から非常に水が豊かな泉州。砂礫層(されきそう)と、豊かな水。
水なすの栽培に最適な地域なのです。

  「これ見てみ。この傘の下から白いとこが、なすが大きなったしるしやねん。今朝からこんだけ大きなったんや」
と話してくれるのは、貝塚市の生産者・生長昇(いきながのぼる)さん。
ハウスの中で胸の高さまで育った木には、自分の顔が映るくらいツヤツヤの深紫の水なすが実っています。
「ツルを斜めに上げていき、根元までお日さんが当たるようにして、7月には僕の背丈くらいまで伸びてジャングルになるねん。
今年は天候が不順やろ。 こないだ、ごっついドカ成りしたんや。こんなこと初めてやで。その後ピタッと止まって、3日くらいなんも成らんかった。成る時と成らへん時の『波』ができたら、ずーっと波できる。天候でそないなってしまうねん」。

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貝塚市 水なすのハウス
水なす生産者・生長さん(左)と堺共同漬物・林野さん(右)

  また、水なすは「肥(こ)えの花」というくらい多量の肥料が必要です。 肥料が不足すると花は付かず、水なすはできないのです。水なすの出荷が終わると、土の中に過剰になった肥料を抜くため、「かぶら」「みぶ菜」を植えるのです。

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日本の伝統食を子どもにも食べてほしい

  野菜の水なすが大阪市内で食べられ始めたのは20年前くらいから。
それまでは皮が薄くて実が柔らかいので、輸送の間にキズがついてしまい、収穫できる量も千両なすの半分で、高価なためあまり広まりませんでした。しかし、今では「みずなす漬」の出荷が全国に広がり、「水なすやったら、専業で農業やっていこうか」という若い生産者も増えています。

  堺共同漬物では和泉市・貝塚市・泉佐野市・岸和田市の契約農家から水なすを仕入れてみずなす漬の製造をしています。

  社長の林野雅史(まさふみ)さんは「若い人にも日本の伝統食のお漬物を食べてほしい。お漬物に触れる機会を増やすために、どこでも手軽にファーストフードのように棒にさして、食べるのも、どうかなって考えているんです。そうすれば、子どもさんにも食べてもらえるようになるのでないか。そんなきっかけを作りたいんですわ」

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堺共同漬物(株)は

  1971年に漬物屋としてスタート。
従業員や社長みんなで協力共同してがんばって漬物屋やろうやないかという意味で社名に「共同」がついています。
  生協とは30年以上のお付き合い。「色粉」(着色料)を使っていない、漬物を作ってほしいという生協の要望に応えて、「みずなす漬」と「大根の浅漬」の製造をはじめました。

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みずなすの表面に目に見えないくらいの小さなキズを付けて塩が浸透しやすくするため籾殻でもむ工程。なすによって漬かり方が違うので様子を見ながら行う。
「『なすびの顔色見て仕事せえ』言われます」(みずなす漬を作る北浦さん)


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みずなす漬(カットタイプ)
増量【冷蔵】100g+20g
8月2回 198円

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