掲載日:2010年06月07日
パルコープの前身の3つの生協の時代からお付き合いのある(株)井ゲタ竹内。
20年前、当時供給していた「隠岐もずく」の原料が枯渇しかけていました。
「隠岐もずく」が枯渇しようとするとき、井ゲタ竹内は「糸もずく」の養殖ができる産地を探して、沖縄県内の漁協を回りましたが、どこも引き受けてくれません。沖縄では太もずくは味噌汁などで日常的に食べていましたが、糸もずくは食べる習慣もなく、雑草のように思われていました。それは天然の糸もずくは太もずくと違って、成長が早いため、すぐに筋っぽくなり、おいしくなかったからなのです。
恩納村にはチャレンジする伝統がありました。それは高い山がなく、水田がほとんどなく、昔から干ばつを繰り返した歴史に培われたものなのです。「だからこそ、恩納村漁協では、難しくて費用も掛かる糸もずくの養殖をやろうと決めてくれたのです。当初、生産者は7人でしたが現在は60人で養殖しています」と井ゲタ竹内の竹内さんは話してくれました。
(株)井ゲタ竹内
常務取締役 竹内 周さん
もずくだけでなく、様々な生物を育む恩納村の海。里海という発想です。その海洋生物の中心にサンゴがあります。
自ら栄養を取ることができないサンゴは、サンゴの中に住む共生藻が光合成で作る有機物をもらい、成長します。残った有機物はプランクトンのえさになり、そのプランクトンは小さな魚のえさになり・・・の食物連鎖があります。また、サンゴは魚たちの住処でもあります。地球温暖化の影響で、海水温が上昇すると、この共生藻が逃げ出し、サンゴが白化(はっか)します。
白化とはサンゴが完全に死んだ状態ではなく、共生藻がサンゴから逃げ出した状態なので、この藻が帰ってくれば、サンゴは再びよみがえり、魚たちの住処になるのです。
このようにサンゴが生き続ける海を守るとりくみ (1.赤土の海への流出を防ぎ、2.サンゴを食い荒らすオニヒトデの駆除、3.養殖・植え付け・産卵でサンゴを回復)を恩納村漁協は、リゾートホテル、建設業者、ダイバー、観光客も巻き込んで推進しているのです。 美しい海はこれら全ての人達にも有益であるという思いがあるからです。
恩納村漁協の比嘉さんは「生協組合員さんには、『COOP恩納村産味付糸もずく』の背景にこんなとりくみがあること、もずくを食べてもらうことが美しい海を守るとりくみに参加することになると知っていただきたいんです」と話してくれました。
比嘉 義視(ひが よしみ)さんは海洋学科卒業の指導事業担当職員。
職員として「もずくの品質開発」にも取り組んでいます。
恩納村漁協が考案したサンゴの植え付け。
海底からポールを建て、その上で植え付けたサンゴを育てます。
大東支所 配送担当 森田 理士
「恩納村漁協」でイゲタ竹内の竹内常務が自然を視野に入れて「もずく作り」することを
当たり前のこととして語っておられました。
恩納村漁協の人たちもそうです。
その姿勢に視野の広さを感じました。
配送担当者が糸もずくの産地を訪れ、
生産工程・生産者のお話を伺いました。
COOP
恩納村産味付糸もずく(すっきり三杯酢)[冷蔵]
70g×4【6月4回】298円