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2019/06/01

ママに贈る魔法のメッセージ

おおらかな気持ちで見守り隊

スーパーで買い物をしていると、子どもはあちこち走り回ったり、品物を触ったり、食べたいお菓子から離れなかったり、と、なかなか買い物がはかどらないという経験はありませんか。


お行儀よくしてくれたら、どんなに楽にお買い物ができるか。家に帰っても、おもちゃを片付けない。忙しい時に限って兄弟げんかをする。思い通りにならないとイライラしてしまうことも、たまにはありますね。
時間があるときは自分にもゆとりが出来て、おおらかな気持ちになりますが、時間がない時は、特に段取りよく事が進まないと感情的になってしまいます。
子どもは、そのイライラをすぐに察知してしまうのでしょう。イライラのエネルギーは、かなり強く子どもに伝染していきます。お母さんの日頃の考え方を変えるだけでイライラは、あっという間にどこかに飛んでいくものです。


日本神話の「海幸彦山幸彦 うみさちひこ やまさちひこ」のお話があります。


弟の山幸彦は、兄の海幸彦に、無理にせがんで大切な釣り針を借りて、漁に行きました。こともあろうに、弟の山幸彦は、兄の大切にしている釣り針を、鯛に取られてしまいました。何度も何度も謝り、自分の大切な剣を潰して、500本の釣り針をつくって差し出しましたが、兄はどうしても許してくれませんでした。「あの釣り針がほしいのだ。こんなものは受け取れない」と頑固に弟をなじりました。山幸彦は途方に暮れてさまよっている時に、神の化身が来て、水中船を出してくれました。そしてその船に乗って、海底深くの屋敷に連れられて行きました。そこで、美しい姫君に会い、二人は結婚しました。楽しい日々が三年も続きました。ある日、ふと、山幸彦は釣り針の事を思い出しました。なんて私はいい加減なのだろう。お兄さんがあれだけ大事にしていた釣り針を失くし、探しに来たのに、もう三年も経って平気でいる。私はなんていい加減なんだろう、と憂鬱になりました。それに気づいて、妻はどうなされたのと聞いたので、今までのいきさつを一部始終話しました。神の化身の父君が、魚を集め、釣り針をくわえた魚はおらないかと尋ねました。赤鯛だとすぐにわかりました。釣り針を大事に持って、早速兄のところに行きました。帰る時、おみやげに、二つの玉を授かりました。これは、おまえが兄からいじめられた時に使いなさいという玉でした。その通りにすると、すべてがうまくいき、兄は反対にすべてがうまくいかなくなりました。


なぜ、釣り針を貸した方の、お兄さんの海幸彦が、非難されないといけないのか。
なぜ、自分の思うままに振る舞う山幸彦が、うまくいったのか。
不思議に思いますか。


真面目に生きる事と、豊かに生きる事は違うのです。
世の中の常識に縛られ、世間体や常識に合わせる事で、子どもの豊かな発想をつぶしていく事もあります。ワクワクする好奇心やこれはなんだろうと思う求知能力は大切にしてあげてください。危険なことや、人様にご迷惑をお掛けする事は避けなければなりませんが、できるだけおおらかな気持ちを持って、子どもたちの好奇心を大切に見守ってあげてください。自分が好きにできる反対側で、自分にはできない事、やりたくない事を誰かがしてくださっている事も教えてあげてください。
そんな、みんなが喜び、笑い合える日常を、見守りたいですね。

辻中つじなかくみやまとしぐさ伝承師範

辻中 公

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