ここでは、産直の起こりと生協が産直のとりくみを大切にしている訳について学んでいきましょう。
その前に、そもそも産直のとりくみはどうして始まったかご存知ですか?
ではどのようにして始まったのでしょう。産直が始まった背景には次のようなことがありました。
化学肥料によって疲弊した農地、農薬の使用による生産者自身の健康被害、生産品価格の乱高下による不安定な収入などの問題をかかえ、将来の農業(畜産)への危機感がありました。そうした状況の中、生産者が「将来にわたり安心して農業(畜産)を続けていきたい。」「そのためにはどうすればいいのか?」という思いがありました。
氾濫する化学物質の中で、それによる健康被害が発生していました。農産・畜産品も例外ではなく、消費者として出来るだけ農薬や薬品の使われていない安全なものがほしいという組合員の思いがありました。
行政のもと、生産者の思いとは異なる無理な減反や転作指導、化学肥料や農薬使用量のおしきせなど、将来展望が見えない農業政策に対しての不信感が生まれていました。
1960年代79%であった食料自給率がWTO協定の下、輸入食料が年々増え今や日本の自給率は40%に落ち込んでいます。今後更に主食であるお米の内需の低下なども考えられる中、増々その懸念が強まっています。
このような背景の中、生産者と消費者(組合員)の願いが結びつき、お互いの考えを理解し共有することから“産直”という仕組みが生まれたのです。
でも仕組みが出来ても実際にそれを利用する組合員がいなければ“産直”も意味を持ちません。そして産直商品を消費者が利用することによって“産直システム”が生きたものとなり、日本の農業・環境も守られ食糧自給率の向上にもつながっていくのです。
以上のことから生協が“産直”というものを大切にしている理由もご理解いただけたと思います。
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