コープシアター大阪 第92回例会

「宇崎竜童 弾き語りライブ2017」
12月1日 門真ルミエールホール

 コンサート前の仄暗(ほのぐら)い舞台。ギターが4本とバンジョーが1本。調律師によって一つひとつ丁寧に調弦されていく。そして現れた宇崎竜童(うざきりゅうどう)は、若き頃と変わらぬたたずまいだった。一世風靡のあの曲「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」の"アンタ、あの子の何なのさ"も決まった後のトークは、往年のロッカーのそれではなく、越し方を振り返り懐かしむ優しさに溢れていた。デビュー曲が、「知らず知らずのうちに」という恥じらいと可愛らしさの曲だという事でも、この人の人となりはわかる。妻である阿木燿子(あきようこ)とのタッグも素晴らしく、山口百恵の「イミテイション・ゴールド」を歌いながら2番目の歌詞"クセが違う"を「"年が違う"に言い間違えました!目が悪くなって…」と正直に謝るところに客席も大いに沸き、続いて語った医師との会話"MRI"を"芋洗い"に聞き違えた話に。この時は「耳も悪くなって…」と、またまた会場を笑いに封じ込めた。そして親を戦争で亡くしたベトナムからの女子高生に捧げた曲「YO‐SORO(よーそろ)」。船出の時に準備OKさあ行こう、色々な逆境に負けてたまるかというエールがこもり、宇崎の指示の元、声が枯れるまで客席も歌った。最後の「さよならの向こう側」、山口百恵の引退曲を聴きながらまたきっと会えると、無限の命を思った夜であった。(はるる)

これからの例会のお知らせ

第93回例会 たいらじょう「はなれ瞽女(ごぜ)おりん」
2018年4月29日(日)、4月30日(月)、5月1日(火)
会場:エル・シアター(天満橋「エル・おおさか」内)