ニコニコ食堂

掲載日:2018年09月24日

場所
大阪市住之江区北加賀屋5丁目2-29 北加賀屋みんなのうえん
開催日
毎月第3水曜日・第4月曜日
参加料
幼児・小・中学生 100円(保護者 400円)
  • ニコニコ食堂
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梅原 知子さん

代表:金子 初子さん

わがまちの*子ども食堂訪問記 わがまちの*子ども食堂訪問記

 地下鉄・北加賀屋駅からほど近く、住宅街の一角にあるコミュニティ農園「みんなのうえん」。その緑に囲まれた中にある暖かな雰囲気の木造住宅がニコニコ食堂の開催場所。
 地元の民生委員児童委員とボランティアの方が調理と子どもの相手を担当。この日は10名ほどで子どもたちを出迎える。メニューは和食が中心で、「ま・ご・わ・や・さ・し・い」食材をバランス良く食べる事ができるように工夫。今回は、うな丼・しじみ汁・なすと白菜のごま和え・すじこんなど。急遽持ち込まれた「CO・OP乳酸ドリンク」も添えられた。17時ごろから集まり出した親子連れに出していく。「うな丼は、本物よりもすり身で出来た蒲鉾風の方が子どもたちには好評」ということで大人用と分けて渡すのだが、そんな時役立つのがホワイトボードに磁石で幼児・小学生・大人を分けていく手作り表。この日は終了の19時ごろまでに30食を作った。
 ご飯が終わった子どもたちは塗り絵をしたり、農園に出てシャボン玉に夢中。お母さんたちはホッと一息、ママ友と話しに花を咲かせる。最後に来た小学生の親子はゆっくりした時間の中でニコニコしながら「じじみ汁おいしいね」と語りあっていました。

ニコニコ食堂

子どもたちに温かいご飯を食べられる居場所があれば…

 北加賀屋地区の民生委員児童委員が立ち上げた「ニコニコ食堂」副委員長の金子さん。
 金子さんは「私はフラワーアレンジの講師を約40年しています。その傍らで、更生保護女性会に所属していたこともあり、少年院に入る17歳の少年と1対1で話す機会がありました。「食べ物は何が好き?」と聞くと「肉じゃが」と少年は答えました。唐揚げやハンバーグではなく、母親と作ったのがすごくおいしかったのだそうです。そのことが印象的だったのと、コンビニでお弁当を買って食べている子どもがたくさんいるのをみて、子どもたちにどこか温かいご飯を食べられる居場所があれば…という思いをかねてより抱いていました。
 場所は「北加賀屋みんなのうえん」という市民農園横のキッチン・サロンスペースをお借りできることになり、2016年8月にオープンしました。

ニコニコ食堂

みんなで食べればニコニコに

 「ニコニコ食堂」という名前は、女性メンバーが名付けたんです。私自身も常に笑顔でいたいですし、みんなで食べればニコニコになれる!ということですっかり馴染んでいます。食材は、パルコープさんからいただく他に、地域の農園から取れた作物をいただいたり、足りない物は粉浜店まで買いに行きます。食材は無駄なく使い、ダシは昆布からとるようにしています。お行儀だとかご飯の食べ方を知らない子もいて、そんな子たちに食べ方やよく噛むことなどを教えてあげることもありますよ。

ニコニコ食堂

周囲が“無関心”から“関心”に

 貧困や孤食の子どもたちの実態は、町会の人たちも知らないことが多いです。貧しい家の子ほど親切にしても振り払われ、周りの目もあり来てくれません。だからこそ、昔のように近所同士で助け合い、顔見知りがたくさんできれば、周囲が“無関心”から“関心”に変わるのではと感じています。父母はいても寂しい思いをしている子もいます。“貧困”というより“心のよりどころ”に切り替わっていきました。また、共働きでストレスを出すところがないお母さんも、ここへ来ればスタッフが子どもの面倒を見ている間にゆっくりおしゃべりや食事ができます。
 朝の登校の見守り活動の中で、ちょっと気になった子がいたら先生に聞いたり、食堂に連れていくようにしています。中には日常的にいじめにあっている子も来ます。そういった子たちの逃げ場になれるよう、これからも地域で協力しながら頑張っていきたいです。

※「ま・ご・わ・や・さ・し・い」……栄養バランスの良い食事の覚え方。【ま】豆類、【ご】ごま、【わ】わかめなど海藻類、【や】野菜、【さ】魚、【し】しいたけなどきのこ類、【い】いも類

ニコニコ食堂
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