商品検査室だより

食の安全の取り組みの一環として、ホームページに毎月の検査実績と商品相談の概要をお知らせいたします。
多くの組合員さんに、検査を中心とした安全推進活動の中身を知っていただき、商品相談状況など、生協の安全の取り組みについてご紹介いたします。

2012年6月度 そうめんつゆ

<2012年6月度検査状況 12年5月21日~12年6月20日>
残留農薬 残留放射線 微生物 食品添加物 外部委託 卵質 合計
新規事前商品 22 44 473 37 0 0 576
抜取商品 42 79 388 3 0 120 632
調査品他 0 4 18 0 0 0 22
合計 64 127 879 40 0 120 1230
(昨年度:928件)

見学件数:0件 0名

★微生物検査・理化学(残留農薬・食品添加物・残留放射能)検査とも、商品回収・人体危害にかかわる不適合はありませんでした。
◆微生物検査:新規取扱事前検査で3品で再検査を要するものがありましたが、再検査で問題ないことを確認しました。

●商品お問い合わせ紹介●

<お申し出内容>
そうめんつゆストレート
栓を開けて少し使い、冷暗所に置いて5日後、白いカビのような物が浮いていました。これは何ですか。賞味期限は1年以上残っています。

<検査室からのお答え>
 ご不快な思いをおかけし、申し訳ありません。
 白い物は、カビであることがわかりました。製造工程で、つゆは高温殺菌を行なっておりますので、未開栓状態(密封状態)では、微生物等は死滅しています。
 しかし、保存料等を使用してないため、1度開栓すると、空気中に浮遊している細菌、カビ、酵母等の胞子がボトル内に混入し、環境条件(温度など)によっては増殖し、沈殿物となる場合があります。細菌などは温度を低くすることで、成育が遅くなりますが、発生を防止することはできません。
 ラベルに記載していますように、開栓後はなるべく1回での使い切りをおすすめします。残った場合には蓋を閉めて必ず冷蔵庫に保管し、2~3日以内を目安にお使いください。


<2012年6月度商品相談受付状況>
主なお申し出状況(昨年度)
人体有症 2件(5件)
異物混入 79件(69件)
異味異臭 22件(35件)
他意見・質問など 320件(348件)
合計 423件(457件)

★人体危害(腹痛下痢、スキントラブルなど)での、複数発生商品はありませんでした。

「カビと食品」

 高温多湿のこの時期、気をつけないと食品にもカビが発生しやすくなります。食品の品質を低下させる厄介なカビ。
 ところで、今、大流行の塩麹。この麹って実はカビの仲間ってご存知ですか?
 「麹カビ」は、日本酒やみそ、醤油作りにも、欠かせません。「麹カビ」が持っている酵素には、でんぷんを分解する酵素のアミラーゼや、タンパク質を分解する酵素のプロテアーゼがあります。これらの酵素の働きで、独特の旨味成分がつくられます。

 このようにカビには有害なものだけでなく、役に立つカビもあります。
 カビを利用した食品として代表的なカマンベールチーズ、ブルーチーズはペニシリウムという種類で純粋培養したものが使われています。
 鰹節の製造に使用されるカビは、カワキコウジカビ(ユーロチウム属、 Eurotium)で、名前のとおり他のカビよりも乾燥したところを好むカビです。沖縄の「豆腐よう」は、モナスカス属のカビとアスペルギルス・オリゼーが用いられています。

 カビは、自然環境中では土壌、河川などの水環境、空気中などに分布しています。温度、湿度、栄養条件がそろえばどんなところにもカビは生えます。目にみえる部分は胞子で、見えない部分でも食品中に菌糸が入り込んでいています。カビの種類によってはカビ毒をつくるものもありますので、カビが生えたものは食べないようにしましょう。冷蔵や乾燥保管でカビの発生を遅らせることもできますが、過信は禁物です。家庭でのカビ防止対策として何より大切なことは、生鮮食品などは早めに食べることが、一番です。

放射性物質による問題への取組みはこちら

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