商品検査室だより

食の安全の取り組みの一環として、ホームページに毎月の検査実績と商品相談の概要をお知らせいたします。
多くの組合員さんに、検査を中心とした安全推進活動の中身を知っていただき、商品相談状況など、生協の安全の取り組みについてご紹介いたします。

2010年3月度 さくら卵いろいろパック

<2010年3月度検査状況 10年2月21日~10年3月20日>
残留農薬 微生物 食品添加物 外部委託 卵質 合計
新規事前商品 31 356 27 0 0 414
抜取商品 31 388 13 11 36 479
調査品他 18 53 0 0 0 71
合計 80 797 40 11 36 964
(昨年798件)

見学件数:1件 18名

★微生物検査・理化学(残留農薬・食品添加物)検査とも、商品回収・人体危害にかかわる不適合はありませんでした。

★新規取扱事前検査で2品で食中毒菌と衛生指標となる菌数において再検査を要するものがありました。各製造者へ改善・再検査を要請しました。

★残留農薬検査では、ハート栽培農産物事前検査で1品で殺菌剤2種類が検出されました。
法基準では問題ありませんが、農薬使用実績の報告書には記載されていない農薬でした。
調査したところ、農薬使用実績の報告書への記入漏れが原因と判明しました。
産地には、記入確認の徹底を申し入れました。

★人体危害(腹痛下痢、スキントラブルなど)に関わる不適合はありませんでした。

●商品お問い合わせ紹介●

<お申し出内容>
【さくら卵いろいろパック 】
いつもよく注文するが、今回18個中2個が凍ったような感じのものが届いた。気持ち悪いので食べなかったが、何故そのようなものが混じったのか調べて下さい。

<調査内容>
 お預かり致しました現品を確認致しましたところ、お申し出通り冷凍による卵の変性が考えられました。冷凍による変性は黄身も白身も約マイナス0.5℃からはじまり、そこから冷凍変性であるゲル化と呼ばれる状態に変化します。
 この変性後は温度を高くしても元の黄身状態には完全には戻らず、今回のように固まった状態を維持します。白身に関してはある程度温度が戻ると見た目には通常の卵白と同じように戻ります。
 現在、卵は選別包装後出荷まで冷蔵庫にて保管し、生協へ納品の際も車の庫内を約10℃以下設定し納品されています。また、生協入荷後は冷蔵保管をし卵の鮮度を保つよう冷やしこんでおります。今回は、上記におけるいづれかの段階において直接冷気が噴出す箇所に数時間卵が置かれたことによって、卵の冷凍変性によるゲル化が起こったのではないかと考えられますが、原因箇所の特定はできませんでした。

 卵をパックに詰めてから商品が組合員様にお届けされる間の冷蔵保管、冷蔵配送の管理体制を再点検し同様の不良品が発生しないようにいたします。

<2010年3月度商品相談受付状況>
主なお申し出状況(昨年度)
人体有症 6件(10件)
異物混入 56件(87件)
異味異臭 26件(29件)
他意見・質問など 298件(362件)
合計 386件(484件)


~“食品防御(しょくひんぼうぎょ)”フードディフェンスの取組み紹介~

 2008年1月中国製冷凍餃子の中毒事件を発端に、他人に危害を与えることを目的とした人為的・意図的な異物や毒物の混入を防ぐ取組みがもとめられるようになりした。
 生協でもこれまでの製造生産現場を中心とした「食の安全・安心」の概念とは異なる「食品防御(フードディフェンス)」という考え方をもとに、「食品防御委員会」が設置され、商品検査室も委員会に参加しています。
 「食品防御委員会」では、パルコープの施設内や商品管理面でも事故防止の観点から点検をおこない、「食品防御」に取組んでいます。今回は、その取組みを紹介します。

 現在危機管理マニュアルとして物流、支所転送、支所保管・出荷、配送、個配管理と店舗管理に区分し、具体的確認項目を設定しています。 危機管理マニュアルに基づき、商品(今回は食品を対象)が入荷して以降、組合員さんが商品を手に取るまでの間を対象に、予防対策が有効であるか、定期的な確認作業をおこなっています。2009年度は2度の点検をおこないました。
 点検で明らかになった、問題点については関係部署と協議し改善をすすめています。

改善要請例:

配達中の車両管理の徹底(施錠・荷台開放等)
防犯カメラの設置場所改善
など


点検及び改善内容は全体での共有化を図るため、安全推進委員会へも結果報告しています。

また、商品相談お申し出についても、異味異臭、人体被害については、同一商品で2件以上、商品の性質由来などで発生する可能性のあるもの以外のお申し出があった場合は、人為的な危害を想定して、慎重に調査を実施しています。

 

ひきつづき、産地・お取引先のみなさんとの信頼関係を基礎に、「食品防御」にとりくみ、内部での品質・安全確認、事故防止を強めてゆきます。

放射性物質による問題への取組みはこちら

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