商品検査室だより

食の安全の取り組みの一環として、ホームページに毎月の検査実績と商品相談の概要をお知らせいたします。
多くの組合員さんに、検査を中心とした安全推進活動の中身を知っていただき、商品相談状況など、生協の安全の取り組みについてご紹介いたします。

2009年7月度 ハチミツ

<2009年7月度検査状況 09年6月21日~09年7月20日>
  残留農薬 微生物 食品添加物 外部委託 卵質 合計
新規事前商品 28 380 25 5 0 438
抜取商品 36 321 6 0 73 436
調査品他 20 46 0 0 0 66
合計 84 747 31 5 73 940

★検査の結果、各検査とも、商品回収・人体危害にかかわる不適合はありませんでした。

★残留農薬検査で、お届け企画回が違うハート栽培農産物の 『野菜ボックス』のお届け前検査分で4品種、抜取検査分で1品種においてTPN(殺菌剤)が検出されました。

法基準では問題ありませんが、農産商品カードには、申請されていない農薬でした。 調査したところ、農産商品カードへの記入漏れ(3品種)と使用していたホースの洗浄不足(1品種)が原因と判明しました。
残りの1品種は、近隣の畑から飛散したものと推測されましたが、原因の特定にはいたりませんでした。
産地には、記入確認の徹底、器具洗浄の徹底と隣園からの汚染防止などを申し入れました。

  種類 企画回 原因 改善要請
野菜ボックス・
きゅうり
事前検査 6/4 記入モレ 生産者に対して
記載モレが生じないよう指導強化
野菜ボックス・
茄子
事前検査 6/4 記入モレ 生産者に対して
記載モレが生じないよう指導強化
野菜ボックス・
ミニトマト
事前検査 7/3 消毒タンクと
ホースの
洗浄が不十分
消毒ホースの
洗浄時間延長と洗浄の徹底
野菜ボックス・
トマト
事前検査 7/3 記入モレ 生産者に対して
記載モレが生じないよう指導強化
野菜ボックス・
いんげん
抜取検査 7/3 隣園から
移染と考えられる
原因不特定。
移染に対する意識と対策強化
<2009年7月度商品相談受付状況>
主なお申し出状況(昨年度)
人体有症 10件(21件)
異物混入 48件(98件)
異味異臭 39件(45件)
他意見・質問など 326件(408件)
合計 423件(572件)

★人体危害(腹痛下痢、スキントラブルなど)での、複数発生商品はありませんでした。

●商品お問い合わせ紹介●
<ハチミツの白い結晶について>
お申し出内容:ビンの底に白い粉々が出ている。カビではないか心配なので調べてください。

原因:
お申し出の白い粉は蜂蜜の結晶でした。蜂蜜の結晶の原因につきましては、大きく分けて温度差・水分・蜂蜜中の果糖とブドウ糖の含量などの条件が要因としてあげられます。これらの条件が重なり結晶の核となるものが蜂蜜の中に生じます。結晶の仕方もさまざまで、結晶の状態がバターのようであったり,ザラザラであったり色々ですが、それらは全て蜂蜜がお手元に入るまでの自然の条件の違いからくる現われです。また、花の種類(水分量・天然の果糖/ブドウ糖の割合・花粉の量)によっても異なってきます。結晶は蜂蜜本来の性質(構造など)に起因するもので、品質や栄養の変化、変質ではありません。結晶したそのままの状態でもおいしく食べられますのでご安心下さい。

*はちみつの結晶が発生しやすい条件*
★ハチミツの中の天然ブドウ糖分が果糖分より多い場合。
★ハチミツに気泡があり、振動などが加わった場合。
★外気温が15~16度以下になった場合。
★保管場所の室温や日射の関係でも結晶はおこります。

また、結晶した蜂蜜を元の液状に戻すには、「キャップをゆるめ、ぬるま湯から徐々に温めて湯煎すると液状に戻ります。お試しください。(※注:結晶が少しでも残ったままにしておくと再結晶しやすくなります)」


★食品とカビ★
梅雨が明けても、湿気が多く気温が高いとカビの発生も多くなります。
商品検査室では、「カビが生えている」とか、「カビのようなものがある」など、商品相談があった食品の検査も行っています。
検査は最初に顕微鏡による観察をします。そしてカビらしいものがあればその一部を、25度、3日程度培養して発育させます。カビであれば大きく成長するのでカビかどうか確認することができます。

◆食品にカビが生える原因としては
カビが生える原因は、大きく分けて以下の3つが考えられます。

(1)食品工場での取扱い不良。製造工程で汚染や、包装の仕方に欠陥があった場合です。
(2)流通・販売店での取扱い不良。低温で流通するべき食品の温度管理の不備や、途中で包装に傷がついた場合です。
(3)家庭での取扱い不良。食べる人が、食品を長い間放置したり、冷蔵庫の過信など保管状態が悪い場合です。

商品検査室では、和菓子や生めん、漬物などカビが発生しやすい食品についてはカビの検査を実施しています。(08年度検査件数:963件)

カビが生育するには、温度、湿度、酸素、pHなどの条件が整うことが必要となります。また、カビの種類により最適な発育条件が違っているため、生えるカビの種類も食品や保存条件により違ってきます。
一般にカビの発育は低温では緩やかで、高温では速いため、夏季にカビの発生が多く見られます。また湿度が高いとカビの生育が速いため、梅雨の時期にもカビの発生が見られます。

一般的にカビというと、パンに付着する青カビ、黒カビなど、悪者と いうイメージが強いものですが、みそ作りに使われる麹もカビの一種です。
微生物の働きのうち、食品の味を低下させるものを腐敗や変敗と呼び、食品作りによい結果をもたらすものを発酵と呼びます。赤カビや青カビのように食品を腐敗させる悪者もいれば、 発酵に役立つものもいます。

放射性物質による問題への取組みはこちら

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